いいことばかりじゃないんです。バイリンガル家庭ならではのお悩みとは?

2013.01.13

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筆者は夫がオーストラリア人で同国で子育てをしています。なんていうと「じゃあ、お子さんは英語がぺらぺらのバイリンガルね!」と思われがち。。。しかし、バイリンガル家庭というのはそれほど生易しいものではありません!!
両親が英語と日本語両方に堪能ならともかく、両親のどちらかが母国語オンリーしか喋れないと家族内のコミュニケーションも難しくなることが。。そしてなにより、子どもは実際に住んでいる国の言語にもっともはやく順応するもの。英語圏に住んでいれば当然英語が優勢となり、たとえ両親がともに日本人であっても日本語を不自由なく使いこなすのはなかなか至難の業なのです。


オーストラリアに住んでいてよく出会うパターンが、父親がオーストラリア人(英語オンリー)、母親が日本人(日本語が母国語、英語はそこそこ)という家庭。そんな家庭に生まれた子どもたちはもちろん英語はスムーズに習得していきますが、日本語も話せるようになるのは母親の日本語教育への熱意によるところが多いのです。
小さい頃から根気よく続けなければ、言語は身につきません。途中で挫折してしまうことも多く、英語と日本語をともに不自由なく使いこなせる“バイリンガル”になるのはなかなか難しいのが現実です。
そんな家庭ではどんな問題をかかえるのでしょうか。私が実際に聞いた体験談をまとめると、以下のようなことがあげられます。

母親が日本語教育に熱心すぎると、英語しか話せない父親が会話から取り残される。

母親が子どもに日本語を徹底して教えようとして、すべて日本語で会話をさせようとするとどうしても英語しか話せない父親は会話から取り残されてしまいます。
家族のなかで自分が分からない話をされるというのはけっこうなストレスです。自分も子どもと一緒に日本語を学ぼうという言語オタクな夫ならいいかもしれませんが、そんなのは稀なケース。家族間のコミュニケーションを犠牲にしてまで、日本語を教えるのは母親にとっても大変なことなのです。

“バイリンガル”といっても様々、ひらがなしか読めなくてもOK?

ハーフで日本語がけっこう普通に喋れると、それだけで「すごい!」という反応をされることもありますが、それだけでバイリンガルと言いきれるでしょうか?
一通り話すことはできても、読み書きはまったくダメ。ひらがなしか読めない、自分の名前の字しか書けない、というパターンもじつは多いのです。子供が大人になって日本に住んだ場合など「日本語できます」といいながら、じつは漢字が読めない、そんな“バイリンガル”でもいいのか、悩ましいところ。。。

“話し方がまるでお母さんそっくり”、男の子だとオネエ言葉になってしまう!?

子どもにとってお母さんの喋る言葉は特別に大きな影響力をもちます。男言葉、女言葉なんてカテゴリーがある日本語、女の子なら問題ありませんが、男の子がお母さんの日本語を真似しながら覚えていくと、語尾の「○○でしょー」、「○○なのよねー」までそのままコピーしてしまうことが。。。
海外で生活していると「ソレ変だよ」と指摘されることも少ないので、大人になっても当然のようにそんな言葉遣いです。立派な成年男子なのに、口から出てくる言葉はどこかおばさんっぽい、ちょっと残念なバイリンガルに。。。

ベテランのバイリンガルママさんたちは、「一口にバイリンガルと言ってもレベルは人それぞれ。もっと具体的にどのレベルまで目指すのか、(例 日常会話程度で十分、会話だけでなく読み書きも中学校卒業レベルまで)親がはっきりと目標を決めて、途中でブレないことが大切」とアドバイスしています。子どもは意外としっかり親のやり方や態度をみているもの、自信を持って応援してあげることが、一番よい方法だと思います。

2013.01.13

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記事を書いたのはこの人

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Written by Waxy

南半球オーストラリアから世の動きを眺めています。 ガーデニング好きで、イチゴ栽培が特にお気に入り。