カッコイイ女が主人公のハードボイルド小説 オススメ2作品
雨の多いこの季節。せっかくの休日も、天気が悪いと外出する気分にもなりませんよね。天気が悪くてなかなか外に出る気が起こらない日は、お家でゆっくり読書でもしてみてはいかがでしょうか。今回は、カッコイイ女が主人公のハードボイルド小説2作品をオススメしたいと思います。
魔女の笑窪 大沢在昌
あらすじ
主人公の水原は、壮絶な過去から得た「一目見ただけでその男の本質を見抜く目」を武器に、裏社会のコンサルタント業を営んでいる一匹狼の女。事業も軌道に乗り、それなりの富を得て何不自由のない暮らしを送っていたが、事態は一変する。水原が長年恐れていた「過去」が、ついに水原の息の根を止めるために動き出したのだ。
魔女シリーズの魅力
とにかく、水原という女性がカッコイイ。美人で色気があって賢くて強い。女を武器にする事を厭わないが、決して男に媚びない強さ。自分で稼いだお金を自分の為に惜しげもなく使う貪欲さなど、真似はできないけど、こんな女が実在していたらスゴイな。と思わせてくれる、ある意味フィクションの醍醐味を感じられる作品。
一人称が「あたし」であるところも見逃せません。続編の「魔女の盟約」も刊行されています。
顔に降りかかる雨 桐野夏生
あらすじ
親友のノンフィクションライター耀子が、一億円という大金とともに失踪する。耀子の手引きをしているのではないかと疑われた主人公の村野ミロは、耀子の彼である成瀬と共に、彼女の行方を追うことになる。
ミロシリーズの魅力
女探偵ミロシリーズの第一弾。ミステリーとしても楽しめますし、ファッションや場所の描写がとても丁寧なので、絵を思い浮かべながら読み進められます。女の嫌な部分やドロドロした部分の描き方も秀逸。
顔に降りかかる雨自体も面白いのですが、これはシリーズを通して読んでいただきたい作品なのです。
作者である桐野さんが自身のHPで「新たな事件が起きて探偵のミロが解決し、成長していく、という探偵小説としてのパターンは、やりたくなかった」と語っているように、シリーズ3作目の「ダーク」における村野ミロの変貌ぶりを目の当たりにしていただきたいのです。
本来は「ダーク」をオススメ小説として持ってくるのが妥当なのですが、「ダーク」の面白さは、1作目2作目を読んでいないと伝わりません。村野ミロという女の生き様を、シリーズを通して感じ取ってみてください。
健気に生きるOVER30。読書・ファッション・美容・フレンチブルドッグが好き。将来の夢は、ご長寿日本一になる事。