「イケメンWeb男子カタログVol.51」 梅田カズヒコさん

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Googirl編集部

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2012.06.26.Tue

–イケメンWeb男子とは
一分一秒を争うスピート感溢れるWeb業界で働く若手男子のこと。

ライターとして大先輩。そして2000年代中頃から後半にかけて、Webコンテンツを面白いものへと発展させていった人のひとり。それが梅田カズヒコさん。これまで「スゴいな」と遠くから見ていたのだけれど、ご縁あって取材の機会をいただけることになり、お話を聞いてきた。

はじめまして。私は昔の梅田さんと同じく、今フリーライターをしています。今日は先輩として色々と教えていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

梅田さん(以下、U):はい、僕でお話できることであれば。よろしくお願いします。

高校卒業後、大阪でフリーライターとしてスタート。もともとライターになりたかったんですか?

(U):いや、自分が文章を書く仕事に就くなんて、全然イメージしていませんでした。ただ、表現したい欲求はありましたし、昔から読書は大好きでした。
学生の頃はやりたいことがたくさんあったけど、「音痴だな」とか、「スポーツできないな」とか、「台詞を覚えられないな」とか、自分の不得意なことが分かってくるんですよね。それらを捨てていくうちに、最終的に残ったのが文章だったんです。何となく向いているかも、というくらいの感覚でしたが。

最初のお仕事はどんなものだったか覚えていますか?

(U):2002年、20歳の時にいただいた仕事が携帯コンテンツのシナリオを作る仕事でした。プロットを作ってほしいという依頼が、おそらく誰でもよかったみたいでたまたま僕のところに来たんです。当時はまだ文章で食っていこうとは思っていない頃でしたが、シナリオを書いたら褒められて。そのときからライターとしてやっていこうと思った。それからしばらくはフリーターとライター業との掛け持ち生活。そういえば、今の梅田カズヒコというペンネームを考えてから、ちょうど10年ですね。早いなぁ。

20代前半で上京。何がきっかけでしたか?

(U):東京に行った同業の友達が仕事をうまくやっていて。しかも全国紙で。僕は大阪で書いてるからローカル紙の仕事ばかりで。それで、22歳の頃「東京に行った方がいいな」と思ったんです。別にその当時は大阪でも食えてなかったのでリスクは考えなかったです。

上京後はデイリーポータルZ(以下、DPZ)で人気が爆発していましたよね。

(U):爆発はしてないですが(笑)、名前を知ってもらえる機会が増えました。実績のない僕になぜか運良く執筆のチャンスが回ってきて。昔から良くも悪くも引きの強さがあるんです。上京後3ヶ月後あたりから、DPZに書かせてもらえることになりました。他の仕事も合わせて、最初は月に12~13万くらいしか収入がなかったから、それだけでは食べていけなかったですけどね。2年くらいは大変でした。

ライター業だけで安定的な収入を得られるようになったのはいつ頃からですか? こんなこと聞いてもいいのかな……と思いますが、今日は切り込んじゃいます!

(U):大丈夫すよ(笑)。2006年から『R25』で定期的に執筆するようになったあたりから仕事が増えたかも。ようやく会社員並みの収入になったという感じ。その当時渋谷で働いていたので、「『シブヤ経済新聞』に書かせて下さい」とお願いに行ったんです。そうしたら、名刺の住所が下北沢だし『下北沢経済新聞』という媒体を立ち上げないかという話に。編集長という肩書きを得て、そこから編集の仕事も増えていきました。それから先は、むしろ仕事が多すぎるほうが悩みになりました(笑)。

今は連載のほか、エディターたちを統括する社長としての立場でも、お仕事をされていますよね?

(U):そうですね。色々とやっています。割合的には編集業(広告のディレクションも含む)が50%、ライター業が25%、社長業が25%くらい。自分の執筆はコラム、僕がどうしても会いたい人の取材とかですね。

平日のスケジュールはどんな感じですか?

13:00 出社、メールチェック
13:30 外出
14:00 打ち合わせ
15:30 帰社、メール対応
18:00 食事、編集・企画書作りなど
22:00 原稿執筆、原稿がない日は飲みに行く
0:00 仕事再開
4:00 勉強、読書、映画鑑賞など自由時間
6:00 就寝

(U):僕もう何年も夜型生活なんです。いつもこんな感じなので、逆転した生活の中で規則正しく暮らしてはいます。ただどんなに忙しくても、睡眠時間は最低6時間確保するように気を付けています。寝ないと効率が下がるのは明らかなので……。打ち合わせを集中させる日と作業を集中させる日はなんとなく決めていて、打ち合わせメインの日は1日に5本くらい集中してこなす日もあります。

会社設立にいたった経緯は何でしたか?

(U):6年間ひとりで仕事をしてきましたが、それに飽きたんですかね。仕事はバンバン来るようになったし、それを断るのが怖い……みたいな気持ちもあった。断りたくないけれど、ちょうど本を書いている時期でもあったので、このままだと自分はキャパオーバーになるなと思ったんです。これをチームでやっていけばキャパが広がるのではと。そこで会社(プレスラボhttp:www.p-labo.biz)を作ろうと決めました。
Webもコンテンツが大事だと言われるようになりかけた時期だったので、会社のコンセプトは「Webの編集プロダクション」にしました。当時はWeb全体の制作会社とか、Web媒体の運営会社はたくさんありましたが、「Webコンテンツ」だけに特化した制作会社はなかったと記憶しています。そこで、「Webに特化した記事売ります」「コンテンツ売ります」というコンセプトで会社を創りました。
今では月に200本ぐらいの記事をさまざまなWebメディアで制作しています。雑誌出身の編集・ライターなのでクオリティは高いけど、Webをメインに行っているので気軽に読みやすく仕上げててバズらせることもうまい、と評価をいただいております。

他の会社がしていないことに、いち早く目を付けられたのはスゴいなと思います。

(U):ビジネスチャンスとは思ってなくて、単純にWebをもっと面白くしたいし、Webの地位を上げたいという気持ちがあったんですよね。作り手の意識としては、紙を中心にやっている人はWebより紙の方が地位が高いと思ってる人は多いんですね。あと、ギャラも安いと思われていたり。でもそれは錯覚ですね。Webコンテンツが紙に比べて儲からなかったり、クオリティが低いというのは誤りだと思います。

Webの編集の仕事をする上で、心がけていることは?

(U):どうしたらバズるか、炎上してしまうかというのは、常に考えていますね。編集として気を遣うことは……制作に関わる全員が嫌な思いをしないようにと、僕は「交通整理役」みたいな立ち位置でいます。でもそれだけでは面白くないので、あえてうまく回っているものに「あれ? ちょっと待てよ?」という感覚的なものも大切にしています。ルールを決めるのが編集の仕事でもありますが、ルールからはみ出たものも大事にしたいんです。

そのルールからはみ出たものって、視点や切り口の面白さから起因するものですよね。会社全体ではどんなことを意識していますか?

(U):自由な意見を発言しやすい環境を作ること。もちろん僕が「一球入魂!」という形でアイデアを打ち込むこともありますが、会社全体でブレストをするときは、全員のアイデアを聞くようにしています。ワンマン社長が自分の意見だけを「よし、これでいくぞっ!」と通しちゃうような会社もありますが、それじゃいかんと。
僕の場合は「こういうのはどう?」と何かしらお題を振るようにしています。遠慮せずに意見を出してもらいたいんです。「ここでは何を言っても大丈夫だな」と思わせる場つくりも大事なのかなと。

個人的には「視点」の見出し方に悩んでいます。「私ユニークな視点を持っているんだろうか……」とよく落ち込んでいます(笑)。

(U):視点って難しいんですよ(笑)。そう簡単に鍛えられるものでもなかったりします。たとえば映画ライターが書く文章は、良い映画とは何かと分かった上で批評をしているわけで。経験・キャリアがものを言うこともあるんです。
ただ池田さんの文章を読んだことはありますが、切り口(企画性)の良さはあるのではないかと思います。文章のうまさというのは経験に寄るところが多いので、26歳の文章は40歳の文章になかなか勝てないんですね。でも、切り口やアイデアは、経験ある人を超えることもあるんですね。
むかしの自分は文章力では勝てないと自覚していたから、せめて企画性では勝ちたかった。今の池田さんもそうじゃないですかね。アイデアだけは経験に寄らないので、切り口の斬新さで攻めればいい。

今興味のあるWebサービスは?

(U):僕はメディアの人間なので、WebサービスというよりはWebメディアな回答になっちゃいますが。大きく分けると3つあります。
1つ目は「オモコロ」のような面白いサイト。いろんな意味でWebコンテンツの可能性を広げているメディアかと。大変そうなだなとは思いますが(笑)。
最近は「mochrom」に注目しています。運営者の3人が、自分たちの好きなことを表現している媒体なんですが、こうした個人メディアが今後も増えていく予感。
2つ目はFacebook、Twitter、mixiなんかの、ソーシャルメディア。
3つ目は、雑誌がWebにどう進出してくるのかという動きですね。最近だと『SPA!』とか結構Webに力を入れている感じ。読者に読ませるということは同じだから、雑誌もWebに進出できるはずなのですが、すべての雑誌が成功しているわけではない。でも例えば『サイゾー』は成功していると思います。もちろん、弊社が『ダイヤモンド・オンライン』に関わっているので『日経ビジネスオンライン』などのビジネス系のサイトや、『エスカーラカフェ』に関わっているので『Googirl』など女性向けのメディアも気になりますね。

ちょこっとだけ、恋愛の話も聞いちゃいます。どんな女性を本命に選びますか?

(U):パートナーシップを組めそうな人。相性が合う人。あとできれば煙草を吸わない人。そう言えば海外旅行とかに行くと長くやっていけそうか分かりますよね。海外って知らない土地だから、当然困るシーンに遭遇することが多い。道に迷うなんて普通なんですけど、そんな状況でも楽しく過ごせる相手がいいです。

最近観た映画、読んだ本は?

(U):韓国映画の『息もできない』です。月に映画はDVDですが3~4本観ています。TBSラジオに「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」という番組が好きで、そこで取り上げられている作品を優先して観るようにしています。
本に関しては、世の中で話題になっているものは読むようにしていますね。気になるものはAmazonで、買いたいリストにどんどん放り込んでいって、貯まったら今必要なもの、いらないものに分けています。
映画・本・音楽が僕の三大娯楽なんですが、CDとDVDには返却期限があります。だからつい、後手後手に回りがちなのが本。まとまった休みのときに読むようにはしています。手を付ける優先順位としては、“仕事上お付き合いのある諸先輩方の本”をまず読んでいます。昔から小説は好きなんですが、今はあまり時間がないのでたまに読む程度です。村上春樹、町田康、中島らもあたりが好き。

ライター・編集者になりたい人へアドバイスをお願いします。

(U):そんな人いるのかな(笑)?
僕が若者だった頃に比べ、編集者やライターという肩書きの魅力ってなくなっている気がします。でも自分の例で話すと、僕も子どもの頃は別のものになりたかったのですが、色々と挫折があって、20歳頃にこれで食っていこうと決めたんです。書くことが好きだったから。
20歳と言うことは普通は大学生だから、自分の道を定めるには少し早いよね。そういう早い段階で好きなものが見つかったのがラッキーだったし、さらにラッキーなのは、それを好きで居続けられたこと。1つでも本気で好きだと言えることがあれば、幸せなことだと思いますよ。その道を仕事にしたいのであれば、それをずっと好きでいること。僕は今の仕事が本当に大好きなんで。

梅田カズヒコさん
81年生まれ、大阪府出身。株式会社プレスラボ代表取締役。

取材/文・写真 池田園子 取材協力/MOON FACTORY CAFE (三軒茶屋)

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