「イケメンWeb男子カタログVol.32」 江口晋太朗さん

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Googirl編集部

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2012.02.10.Fri

–イケメンWeb男子とは
一分一秒を争うスピート感溢れるWeb業界で働く若手男子のこと。

第32回目のゲストは江口晋太朗さん(27)。84年生まれの仲間で運営し、Webとリアルをつなげた活動をしていることで有名なWebメディア「84ism」を立ち上げた人物です。昔から知識豊富なWeb男子だったかと思いきや、実は自衛隊出身という異色の経歴を持っています。
現在はフリーランスとして、日々身軽に各地を飛び回りつつ働いています。そんなイケメンWeb男子と元旦初日に(!)お会いして、浅草でお話を聞いてきました。


今どんな仕事をしていますか?

江口さん(以下、E)「ライター、編集、企画のディレクターなどをしています」


高校卒業後、自衛隊に入っていらっしゃったとか。そこからどうして大学へ行こうと決めたのですか?

(E)「はい、高卒後3年半ほど自衛隊にいました。毎日走る訓練をするようないわゆる『現場』にいました。しかも陸上自衛隊の中でも特殊部隊といわれるようなところに配属していました。
3ヶ月の教育後、本人の希望や適正、評価に応じて配属先が決まります。そのあたりは会社と同じかも。ちょうど僕がいたときに、イラク派遣の話がでてきていたときでした。その当時は、現地へ派遣されることが国際協力になるというのを信じていましたし、そう思うことしかなかったです。
しかし、それが本当に世の中の役に立っているのかと、ある日疑問に感じたんです。どこかへ派遣されている間や、日々訓練をしているときなどは、社会の情報とは断絶されます。長期の訓練だったりすると、ある種の浦島太郎状態みたいなものです。そうすると、だんだん社会の動きについて行けなくなっているので、ニュースなども見なくなってくる。そうすると、社会との関係も難しくなってきたりする。だから、世の中がどうなっているか、きちんと知りたいという気持ちが大きくなっていました。その衝動から自衛隊を辞め、半年くらい勉強して大学へ」

しばらく勉強から離れていて、いきなり学び始めたときはどんな感覚でしたか?

(E)「高校時代にあまり勉強しなかった反動か、受験勉強をするのは楽しかったです。特に世界史なんかの歴史の授業は、学べば学ぶほど面白くなりました。歴史上の人物の動きを見て、今の世の中がどのようにして発展してきたのかを考えていると、広い視点を持てるようになりました」

コネもツテもお金もないという、ないない尽くしの中、東京へ出てきた。当時はひとりぼっち。まさに背水の陣といった状態に自分を追いやった。自分が動き始めない限り、何も始まらない。冒険心や闘争心のかき立てられる街、東京。あれから5年。長く付き合っている友人たちとは仲良くなって2~3年。まだ短いけれど、濃い関係を築く人々に囲まれている。


大学時代はどんなことをしていましたか?

(E)「大1の頃は普通に大学生をしていました。学生やバイト仲間と関わることが多かったです。大2で大学が面白く感じなくなりました(笑)。僕が想像していた教育とか研究の場とちょっと違う感触がでてきて。自分の想いと他の学生との想いが違うことも意識するようになっていました。他の学生は、世の中に関してあまり関心を持っていないのかな、と感じる部分もあったりしました」

外に出ると何かあるかも知れない。大1の頃から本を読みふけるようになった。学問の基礎的な本を読み漁る中で、数百ページある本を読むこともざらにあった。広範囲に渡って知識を得ていくうちに、それらをアウトプットしてみようと決めた。

(E)「政治家のインターンをするのが最初でした。実際に政治の現場に行ってました。秘書みたいな感じで議会とか会議に参加して、メモを取ったり議事録を書いたり。総理大臣が福田さんから麻生さんになったときのことですね。
講演会の文字起こしを趣味でやっていて、それを友達に配って議論してみたことも。そこから学生団体や行政・NPOの会議などに参加したり、勉強会を開いたりと、外でアクティブに活動するようになりました。もちろん、学校にもちゃんと行ってましたよ(笑)」


そもそもWebと出会ったのはいつですか?

(E)「今お話していたように、僕が政治の現場に顔を出すようになってしばらくして、アメリカではオバマ氏が当選したんです。ソーシャルメディアが政治の世界などで活躍したニュースを聞いて、これからの社会におけるWebの可能性を感じるようになりました。TwitterやFacebookを使い始めたのもちょうどその頃からというかそれがきっかけですね(笑)。あの時期がターニングポイントだったのかも知れません。
自分のPCを買ったのはわりと遅くて2009年の頃でした。それまではYahoo!メールのアドレスを持っていたくらい。自衛隊での仕事でエクセルやワードを使うことはありましたが、ネットはあまり使えなくて。実家にPCもなかったです。そんなわけで、Web男子(笑)になったのはわりと最近です。
09年夏頃にNPOや社会起業に関する全国フォーラムを主催していました。Skypeでメンバーとやりとりしたり、mixiのコミュニティを立ち上げて、全国にいるメンバーとやり取りしてました。まだ、始めたばかりながら、Webをどう使っていくかを経験しながら模索していました。当時だとまだ少なかったTwitterでのイベントの中継なども、そのころから少しづつやったりしていました。同じ年の9月に電気自動車で旅をするという企画を友人とやっててました。各市役所で充電させてもらうんですが、その合間に市長訪問や名産物などの取材などをしてみたり。同時に、その様子をTwitterでリアルタイムに中継したり、ブログなどで記事にしたりして旅することをしていました。
いまは、けっこうそれが当たり前になってきましたが当時はまだそういうことやってる人あまりいなかったかも(笑)」


「84ism」を作った経緯を教えて下さい

(E)「25歳を迎えたときに、これは何らかの節目だと感じました。僕自身がまわりの人よりもずれて大学に入ったこともあって、同い年の人たちがどんなことをしているのか知らなかった。だからこそ、純粋に同世代人たちと会って話をしてみたいという思いがありました。また、生きていると誰しも25~30歳の間くらいに転機は来るものだと思います。そして、それぞれが色々な生き方をしているだろうなと。だから、業界業種関係なくリアルに同世代であまり知らない人と出会って語れる場を作ろうと思いました。同い年というだけでつながるのも1つのきっかけかと。そこから交流が深くなったり、ビジネスの話に発展するのもアリです。流行り言葉で僕らや他の世代とかは『デジタルネイティブ』とか『ゆとり』だと呼ばれたりしています。でも、これって外から勝手にラベリングされた上に、一面性しか見られていないことだと思うんです。それに乗っかってある種の自虐的に『俺らゆとりだから』と言うのはなんか勿体ない。そうじゃなく、同世代の人たちが何かしら関わったり、やってることを世に発信したらどうか、と考えたんです。面白いことを取り上げたり、議論などの真面目な場も設けたり、この世代はこういうことを考えているというのを表現したり。もちろん、他の世代の人も絡んでも問題ないです。”ハチヨン世代”という、ある種の場に、色んな人たちがコミュニケーションしていくようなイメージです。
そのイメージをもとに仲間を集めて2010年1月に立ち上がりました。立ち上げのときの企画とかコンセプトメイキングはかなりバタバタしていましたね。それからずっと“いまこの瞬間で僕らがリアルに関わっていること”にこだわって、情報を発信し続けています。当時は25歳の僕らだったけど、今は27歳の僕らなわけで、リアルタイムな僕らに合わせてメディアも変化し続けるというイメージです。サブタイトル通り、育ち続けるWebマガジンというのを目指しています」

CNETを始めとする各種メディアに記事を書かれていますね。Web媒体も紙媒体も担当されているのがスゴいです。ライティングはどう勉強していましたか?

(E)「試行錯誤しつつの独学です。上手い人のテクニックを盗むスタイルだと思います。とにかく色々な人の記事を読んだりしていました。そのあたりは、完全に独学で続けていた部分が大きいです。もちろん、独学だけだと限界もあるので、参考になるような人たちのところに直接行って話を聞いたり間近で経験しながら覚えていってました」


Ustream配信やTwitter実況などはどう学んでいったのですか?

(E)「Webに関する勉強も、ライティングを学んだスタイルと同じです。ヒマナイヌの川井さんのところでUstreamなど映像やメディア、企画編集の仕事を直接教えていただきつつ学びました。Twitter実況に関しては、津田大介さん(Twitter実況を日本でいち早く始めた人物)の“つだるポイント”を真似するようになりました。当時はまだそういうことをやってる人が少なかったのか、江口という人をTwitterでフォローしとくと面白いよと言ってもらえるようになり、声をかけてもらえるようになりました。当時は週に2~3本やってた時期もありました。学生だったので時間を持て余してましたしね(笑)」


企画を生み出すために心がけていることは何ですか?

(E)「いつも自然と周りに意識のアンテナを張っています。五感を使うことを意識しています。僕のできることは、自分が実際に行動して触れた物事や感じたことを人に伝えること。世の中全てが面白いと思っているので、純粋に何でも楽しみながら自分の中に取り入れています。自分の感覚に正直に生きたいと思っています。
いつでも“なぜ”という視点を持って、それのどこが面白いのか考えることが重要。たとえばお店に入って、繁盛している理由を考えるとか。小さな変化を察知することも大事。大きなことはすべて小さなことの積み重ねなので。僕は街中のポスターが変わったことに気付いたりするタイプだったりします。変わったことでどんなインパクトがあるのか考えます。ただあまり考え過ぎてもダメだし、考え過ぎないこともダメな気がします。でも見ているだけだと、単なる傍観者になってしまうから、主体的に考えるためには、できるだけ経験者になるべきだと思います。自分が経験者にならないと、コンテンツや素材の良さが分からない作り手になってしまう。食わず嫌いで、ああだこうだというのはもったいないと思います」

五感で感じることの重要性は、江口さんの仕事スタイルから伝わってくる。とにかく歩き回って情報の元に触れるのだ。自分の中に一度通したものこそ真実であり、人へ堂々と伝えられることでもある。実際に自分が見聞きしたわけではない情報を引っ張ってきてつなげるような仕事はしない。新たにモノを生み出すことが江口さんの仕事の流儀だ。


3~5年後はどうしていますか?

(E)「一つの『場』を持っていたい。その場から新しい発信をしていきたい。人と人とがつながり、そこから新しい価値やプロジェクトを作っていきたいと思っています。既存の84ismは良い意味でのプラットフォームで、世に少しはプラスな影響を与えたメディアなのかなと思っていますが、それとは違う場を作ろうかなと。場は僕個人で作る何かなのか、会社なのか、それとも別の会社に属するのか、そこはまだ分かりません。
今はたまたまフリーランスで働いていますが、実のところは会社員でも構わないんです。どこに属するかではなく、何をするか、何ができるかが大事なのかと」


フリーランスになって良かったことは何ですか?

(E)「面白い人や自分が知らない価値観を持った人と出会えること。びっくりするほど価値観が広がりますし、新たな発見があります。フリーの身なので動きやすいというのを活かして、動けば動くほど多様な人と出会えます。
1つの場所に属しているだけだと、180度違う発想を持った人とは普段意識しないとなかなか出会いにくいのかなと。またフリーランスになると”やりたくないこと”に、より意味があるように思えます。
企業にいるのとは違って、フリーランスの場合は、仕事のやるやらないは自分で判断します。僕は普段だとやらないことは進んでやってみるというスタンス。あえてしてみることで発見できることはたくさんあります。知らないからいいや、詳しくないからいいやというスタンスではなく、余白(自分が未経験の分野、これまで注目してこなかった分野などを指す)の部分を大事にすることで、フリーランスの人は上手くやっていけると思います。スペシャリストでない限り、いかに多くの経験をするかにかかっています」


好きな言葉は?

(E)「『今を懸命に生きる』です。ただ、それはいわゆるな享楽主義とは違う意味です。井伏鱒二の詩にある『さよならだけが人生だ』という言葉が好きで、12月にそのことに触れたブログも書きました。短い人生だからこそ、悔いのないような後悔のないような意識で、いまを大事にしていけたらと思っています。あと、ちょうど良いという意味の『適当』も好きです。いい加減ではなく、適切な当たりを付ける、という意味で捉えています」


よくチェックするWebサイトは? デザインの勉強などに見ているWebサイトなど教えて下さい

Fastcompany
マガジン航
GOOD
White-screen.jp


最近読んだ本を教えて下さい

『だから、僕らはこの働き方を選んだ
『再起動せよと雑誌はいう


自信を持って扱える道具は何ですか?

(E)「脚。行動力という意味で脚。野生の勘。感性を大事にする。経験してなんぼ。いいねとかおもしろいねという自分の感覚。それを元になんでそれがおもしろいかというのを考える。動いてなんぼだと思っています」

恋愛について教えて下さい! 好きなタイプの女性とか(笑)

(E)「自由な人で自分と価値観が違っている人が良いです。基本的には束縛とかでなく、若干放置してほしいくらいですね(笑)。たまにふらっと会えたらいい。そんなことを言っていると、付き合うとか付き合わないとかはかなり難しい表現だと思いますね(笑)。週1でデートしましょうとかじゃなくて、お互いに好きなことをやってというお互いにいいパートナーになれるようなかたちが理想的ですね。別の時間を過ごしていても、思いとか意識が共有できたらそれで幸せだなと」

ライターや編集業をしたい人たちへ向けてアドバイスをお願いします

(E)「まず第一に経験すること。何でもやってみましょう。今まで自分が見てきたこと、考えてきたことが全てではないんです。自分の中で絶対はないと思った方が良いです。経験せずに語るのはあまりいいとは言えません。そして、その経験もただ無意識に経験するのではなく、例えば単純な作業もどうやったらスムーズにできるかを意識すると良いかと思います。
自分のしていることにどんな意味があるかを考えながら。自分が全体の中でどういうパーツなのかということを意識するといいと思います。どんな職業でも同じですが、仕事の中身を分析し、大きな目で見るとその仕事がどのような位置付けなのか考えてみること。その考える行為に力を入れるだけで、同じことをしても経験値が20も30も違ってきます。と、同時に、どうすれば楽しくなるか考えて、目の前のことを楽しみましょう。
対象をどれだけ好きになれるかも大事です。特に編集者の仕事はターゲットにある意味でどう憑依するかが大事になってきます。どれだけ相手の立場になって考えれるか。相手の思いを理解することができないと務まりません。よき理解者になることですね。そして、大事なことは、最終的に自分がしていることをどれだけ好きになれるかですね。どんなこともやはり好きになることが大切だと思います」

江口晋太朗
84年生まれ。フリーランスの編集者、ライター、ディレクター。
ブログ
過去のインタビュー。ブレていません。

取材/文・写真 池田園子

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