「働くイケメン男子Vol.4」 自遊人・コンサルタント 村上敦伺(アシシ)さん

  • f Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • B!はてなブックマーク
Googirl編集部

Written by:

2012.01.28.Sat

「自由人」という言葉の響きに惹かれたことのある人は多いでしょう。その呼び名を「自遊人」とアレンジして、自由自適に生きている人を今回は紹介します。
サッカー好きの中では有名なサポーター、村上敦伺さん、通称アシシ。2009年から2010年にかけて丸一年、南アフリカワールドカップに出場した32カ国を訪問する『世界一蹴の旅』を敢行。その後、同名の書籍を出版。「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを2006年から続けている人です。
旅人、コンサルタント、サッカー日本代表サポーター、ライターなどと多岐に渡る仕事をこなす、デキる大人イケメン男子に密着してきました。


今どんな仕事をしていますか?

村上さん(以下:M)「本業はコンサルタントです。様々な企業に対してシステムを作るお手伝いをしています。今は独立していて、契約する期間を自ら決めることができるので、1年のうち半年仕事をして半年旅に出る、という生活スタイルです。旅人の間はブログやツイッターを通して情報を発信しています。
時々ライター業として、とあるウェブサイトのコラムを執筆したりもしています。ただし、その原稿料なんて雀の涙。基本は本業のコンサルティング業が収入源です。
コンサルといっても世の中にはたくさんの種類がありますが、僕はシステムコンサルタントです。どこの大企業も毎年莫大な予算をつぎ込んで、システムの改善や拡張に取り組んでいますが、そのお手伝いをするのが僕の仕事です」


独立する前は何をされていたのですか?

(M)「外資系コンサルティング会社に6年勤務していました。外資コンサルは一般的な日本企業の10年分の経験を3~5年で積めるとよく言われるんですが、本当に忙しかったです。システムコンサルの場合、設計・開発した新システムを初めて稼働させるタイミングが最も激務なんですが、具体的な数字をいうと、ぶっ通しで32時間労働とかよくやってました。
朝10時に出社して夜6時に退社、というと8時間労働に聞こえますが、余分に時計の針が2周してプラス24時間して、合計32時間労働。そんな徹夜する日々が忙しい時期は月に5~6回あったりして、とてつもなくしんどかったです。
ただ、今の自分が存在するのも、この6年間の苦しい修行を乗り越えたからこそだと思っています。その厳しい環境を耐え抜いて、2006年に独立しました。コンサル業界は独立しやすいんじゃないかな。他の業界では、営業する自前の製品や、元手となる資本金を持ってないと独立するのが難しいですが、コンサルは自分自身が商品なので、元手が何もない状態でも独立可能というシンプルな世界です。自分に単価を付けて、ある一定期間雇ってくださいという感じで、言葉を選ばないならいわば人身売買。自分自身の身体を納品するイメージ。労働単価も自分で自由に設定できます。
サラリーマン時代に会社に中抜きされていた分を上乗せして、個人コンサルの単価は企業に属していた時よりも、2~3倍にすることもできる。そうやって、半年しか働かなくても生活していける状態を作っているんです」


社会人になってから最近までの軌跡を教えて下さい

(M)「2000年に新卒で外資系コンサルティング会社に入社し、2006年に退職しました。会社を辞める1年前、2週間ほど有休をもらって、ヨーロッパにサッカーを観に行ったんです。コンフェデレーションズカップという国際大会で、日本代表がサッカー王国ブラジル相手に2-2で引き分けた試合を生で観て、サッカーの虜になってしまいました。
翌年のドイツワールドカップも絶対現地で観ようと心に決めて、2006年、本当に会社を辞めちゃいました(笑)。ワールドカップ後は英語の勉強をするため、ワーキングホリデーのビザを取得して、1年間カナダに住んでました。個人コンサルとして独立したのは2007年です。その頃から『半年仕事・半年旅人』のライフサイクルを始めました。2008年はご縁があって、上海のプロジェクトに。北京オリンピックも現地で観戦することができました。
その上海在住時に、前職後輩のヨモケンとワールドカップ出場32カ国を巡るアイデアを思い付き、2009年6月から2人で『世界一蹴の旅』をスタートさせました。最終目的地は2010年6月にワールドカップを開催する南アフリカ。そのゴールに到達するまでの1年間、ひたすらブログで情報発信をしていると、たくさんのメディアが興味を持ってくれて、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など多くの媒体に出させて頂きました。
2011年は1月のアジアカップ、7月の女子ワールドカップ両方とも現地まで出向いて、優勝の瞬間を味わえました。両方の決勝戦を生観戦した日本人サポーターはきっと、片手で数えられる程度だと思います」


ワールドカップ時(2010年)に『世界一蹴の旅』のブログを拝見していました! その後Webの世界ではソーシャルメディアが中心になりましたが、かなりファンがついていますね。

(M)「主にツイッターでサッカーに特化した情報発信を続けているので、フォロワーが右肩上がりに増えたのは事実ですね。ソーシャルメディア論になるかも知れないですが、ターゲットを絞れば絞るほど、ソーシャルな上でのパワーというか、ポテンシャルが上がると感じています。僕の場合、ほぼサッカーに限定して呟いているので、フォロワーの9割方はサッカーのサポーターです。そのせいか、面白くてかつ速報性のあるサッカーネタを呟くと、一気にRTされて爆発的に情報が伝播します。それはフォロワーの皆がサッカーというコンテンツを欲しているから。サッカー好きな人は本当にサッカー命なので。
その他にもUstreamを使って、サッカーに関連した個人番組を定期的にやったり、旅から帰国した直後に帰国報告会を兼ねた講演会をやったりしています。Ustreamは2時間放送すると、累計で2,000人くらいが見てくれます。講演会は去年3回行いましたが、毎回100人以上来てくれて、情報発信する面白さを体感しています」


3~5年後はどうしていますか?

(M)「さすがに30代のうちに結婚したいです(笑)。とはいっても、今のようなポジションだと結婚は難しいでしょうね。これまでサラリーマン6年、自遊人6年とやってきて、そろそろ次のステップに進む時期かなとは思ってます。ただ、毎年サッカーに関する何かしらのイベントがあって、今のライフサイクルから抜け切れないんです。
今年はロンドンオリンピック、来年はブラジルでコンフェデレーションズカップ、2014年はブラジルワールドカップ、2015年はオーストラリアでアジアカップ、2016年にはリオデジャネイロオリンピック。もう無限ループです(笑)。とはいえ、個人コンサルの寿命は40歳前後と僕はふんでいるので、もうそろそろ次のステージを見据えなきゃとは思ってるんですが、何の目処も立ってません。まぁ今まで通り、何とかなるの精神でやってきますよ」


旅についてどう考えていますか?

(M)「こんなこと言ったら怒られるんでしょうけど、正直旅は最近、飽きてきました(笑)。『旅をするための旅』はもうしないと思います。何かしらの目的が伴った旅にしか最近興味がないです。人に会いに行く旅だったり、サッカーを観るための旅だったり。サッカー観戦を目的にした旅は、本当に楽しいですよ。サッカーを通じて、世界中の人がつながるんです」


サッカーを通じてつながるとは?

(M)「世界にはいろんな言語がありますよね。世界共通語は英語だ、いや国の数だとスペイン語が一番だ、いや人口ベースだと中国語がトップだ、などと色々と国際言語の議論はありますが、僕は世界で最もポピュラーなコミュニケーションツールはサッカーだと思うんですよ。
日本では昔からサッカーより野球が人気ですが、世界的に見ると圧倒的にサッカーが一番人気のスポーツです。特に発展途上国にいくと、ボールひとつあるだけで老若男女誰でも参加できるサッカーは大人気。初対面の外国人にサッカーが好きだと自己紹介するだけで、打ち解けられたことが何度もありました。特に海外のスタジアムで偶然隣に座った人と仲良くなった回数は数え切れません(笑)。それくらいサッカーは国や言語に関わりなく、多くの人とコミュニケーションできる『共通言語』だと僕は思っています」


最後の質問です。仕事とはアシシさんにとって、どういう位置付けですか?

(M)「自分の好きなことをやるための一手段ですね。今の僕にとって好きなことっていうのは、大好きなサッカーを世界中で観戦して、それを現地から情報発信すること。そのサッカー観戦旅をするためには、ある一定量のお金が必要。その資金を稼ぐために働いている、という整理です。よく就職活動中の学生が『好きなことを仕事にしたい』とか言うじゃないですか。あれは甘えですね。そりゃー好きなことでお金を稼げれば幸せなのかもしれないけど、人生そんなに簡単じゃない。労働の対価としてお金をもらうという行為は本当にシビア。独立してから特にそう思います。
そういう意味で、仕事を選ぶ際に最も重要なのは、その仕事が好きかどうかではなく、自分に適性があるかどうかだと考えています。逆に僕は好きなことでお金を稼ぐのではなくて、好きなことにとことんお金を費やしていたい。サッカー系の情報発信で、僕はうまくやればマネタイズできるかもしれません。でも僕は敢えて、サッカーや旅関連でお金稼ぎする行為は、ほとんどやっていません。一部書籍出版とかコラム執筆でお金はもらってますが、微々たるもの。旅の経費込みでの黒字化なんて、目指すつもりはないです。
それはなぜかというと、とことん自分の好きなようにやっていたいから。お金稼ぎという要素が絡んでくると、スポンサーの制約が入ったり、ノルマが発生したりして、一気に自由度がなくなる。好きなことをやっているはずなのに、全然楽しめなくなるとか最も不幸ですよ。なので僕は、お金稼ぎはコンサルのお仕事、好きなサッカー観戦旅はひたすら浪費、と明確に線を引いてます。そういうポリシーのもと、『半年仕事・半年旅人』という生き方を歩んでいます。これからどういうライフスタイルに変わっていくか自分でもわかりませんが、そういった自分の人生のポリシー、信念は大切にしていきたいですね」

村上敦伺
77年生まれ。北海道出身。06年に個人コンサルタントとして独立した後「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを続けている。09年から10年にかけて、ワールドカップ出場32カ国を巡る旅を遂行。『世界一蹴の旅』を出版。ブログ

取材/文・写真 sonoko0511 取材協力/東京WINE食堂 RAKU

あわせて読みたい

この記事が気に入ったらいいね!しよう

Googirlの最新記事をお届けします

記事を書いたのはこの人

Written by

Googirl編集部

女子力向上をめざす応援サイト!
オシャレ、美容、恋愛など海外の最新ニュースを毎日配信!