クリエイターMAP Vol.4 自主レーベル運営 ishizukakeiさん

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Googirl編集部

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2012.07.06.Fri

自ら楽曲作りとDJ業もこなしながら自主レーベルを立ち上げ、様々な企画を打ち出しているishizukakeiさん。
インタビューを通してネットレーベルという新たなジャンルについて、その魅力をお伝えします

on sunday recordingsという自主レーベルを立ち上げる事にしたきっかけは何だったのでしょう?

アマチュアかつニッチなジャンルの音楽で活動をする人達を応援したい。また、そんな人達が、自由な発想で作曲する場所を、一緒に創り上げたいという気持ちから、これまでも音楽活動を共にしてきた“nf君”と、on sunday recordingsを立ち上げました。

レーベルの名前が可愛らしく言いやすい響きですが、どんな由来が?

名前の由来は、まず、日常のBGMになるような、エレクトロニカやテクノなどの電子音楽をレーベルのメインとして決め、そのイメージから“nf君”が、「日曜大工」→「日曜音楽」という言葉を連想し「on sunday recordings」に決定しました。

ishizukaさんは過去に様々な音楽活動をされていますが、そこから自主レーベルを立ち上げようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

5~6年程前からDJをしていたのですが、年を重ねるごとに、就職したり、結婚したり、田舎の実家に帰ったり。気が付いた時には当時一緒に活動していた仲間のほとんどが、DJを辞めてしまって…。それぞれ色んな事情はあるけれど、どんな環境にあっても、音楽活動をあきらめることなく、続けることができる「場所」をつくりたかったんです。
それと最近では、「SoundCloud」や「Bandcamp」といった、無料で使える音楽配信ツールを使って、アーティスト自身がリリースをするケースが増えてきていますが、いくらクオリティーが高くても、再生数が数十単位。多くの人に聞いてもらえる環境を作るには時間がかかる状況です。そこで、レーベルという形式をとることによって、相乗効果でもっと多くの人に音楽を届けられるのではないかと考えました。
また、ここ2~3年で「ネットレーベル」という、基本はインターネット上で運営されている音楽レーベルが、ちょっとしたムーブメントになっていて、そのなかでも「Maltine Records」が主催したイベントが代官山UNITという大箱を満員にしたというニュースが入ってきた事にも、強く後押しされましたね。

御自身でも将来的にそういった大きいイベントをオーガナイズしてみたいと思いますか?

レーベル主催者的には、やっぱり将来的に大きいイベントはやってみたいですね。所属しているアーティストは、自分自身がファンなので大きなスペースでのライブを見てみたいですね。自分のひとつの夢ですね。

レーベルを立ち上げてから何か苦労した事や、見えて来た改善点等はありますか?

今のところ大きな苦労はありません。強いて言うなら、僕がサイトの管理を全て行っているので、サーバー代だったり、ステッカー、フライヤーなんかの雑費位はペイしたいと思っています。ネットコンテンツのマネタイズは、なかなか難しいです。

レーベル運営を始めてから大きく変わった事といえば何でしょう?

一番は、共通の音楽の話ができる仲間が爆発的に増えた事です。
勿論イベントに行けば、共通の音楽の話ができる人と知り合う機会があったり、mixiなどでも音楽を通じて友達がなった人もいました。
しかし、そのほかの場所ではほとんどなかったですね。
田舎の大学に行っていたせいもあるかもしれませんが、大学生の頃とか学内には音楽の話ができる人なんて一人もいなかったですね。それが逆に音楽に詳しいってことで、優越感がありましたけどね。学生内で通学途中で「マイルス・デイヴィス」を聴いている渋い奴を自分一人だけ、そんな感じで自意識過剰でうるせーよ!って学生でした。

レーベル運営をする側として楽しい瞬間や嬉しいと感じる瞬間はどんな時ですか?

ニッチなジャンルの音楽で活動をする人達を応援したい」という思いがあるので、必然的に集まったメンバーとは、ちょっとマニアックな話題で盛り上がれることが楽しいですね。真面目な回答としては、Twitter上でonsunをオススメしてくださったり、古本屋を経営している方が、onsunの曲を店舗のBGMにしてくださっているといったつぶやきがあったりして、皆さんの日常に音楽が届いていることを知った時が嬉しいです。
また、レーベルの力かどうか分かりませんが、onsunで音楽を配信しているアーティストへの出演依頼が多くなっている事も嬉しい限りです。

on sunday recordingsの活動はどうやって発信しているのでしょう?何かお勧めの方法があれば教えて下さい。

本業がWeb系の仕事をしているので、そこを強みとして、ひたすらインターネットを使ってレーベルを訴求しています。コツ…は特にありませんが、何か広めたいこと、多くの人に知ってもらいたいことがある人は、インターネットをひたすら利用することをお勧めします。

中でも特に音楽活動に特化したSNSやお勧めのサイト等はありますか?

何かを広めていきたい人は、Twitter、Facebook、mixiなどのソーシャルネットワーク系のサービスで訴求することは絶対やったほうがいいと思います。
また、音楽を作っている人だと音楽をアップロードができて、ソーシャルネットワークの機能がある『Soundcloud』というサイトがあって、こういうサイトがたくさん出てきてますね。
DJ音源をアップロードして繋がる『Mixcloud』、Youtubeよりも高画質で映像がアップロードできてソーシャル機能もある『Vimeo』、イラストだと『pixiv』。on sunday recordingsでもソーシャルネットワークから、サイトに来てくれる人がかなりいます。

自主レーベルを運営するにあたり、気を付けている事や心がけている事は何でしょうか?

レーベルのオーナーとしては、アーティストに自由に表現してもらいたいと思っています。
実際に、アーティストの多くはonsun以外でもリリースやライブ活動をしていますし、自分自身も「セラミックレコーズ」からリリースされたコンピレーションアルバムに楽曲を提供しています。レーベルの収入で生活しているわけではないので、できる限りアーティストや楽曲を難しい権利で縛らずに運営したいと思っています。

御自身の楽曲のインスピレーションがどこから来ているのか教えて下さい。

インスピレーションは、いろんなものから受けますね。中でも日常の音からインスピレーションを受ける事が多いです。
例えば、洗濯機を動かしているときの音を聞いて、ループしたら面白そうな音だなとか思って、実際録音してその音を中心で曲を作り始めたりします。
この前は、ラジオで流れていた「クリィミーマミ」という自分が子供のころに放映されていたアニメのオープニングから受けましたね。ドラムパターンが逆に新しかったりして、これは思いがけなかったですね。
あとは勿論、やはりレーベルメンバーの曲からも影響を受けたりします。

所属レーベルのアーティストは、自ら発掘されているのでしょうか?それとも相手からアクションがあって一緒に何かをするケースが多いのでしょうか?

基本的には、こちらから気になったアーティストにアプローチすることが多いですが、常にデモ音源を募集しているので、そこからonsunに参加するケースも増えています。
アーティスト以外のコンタクトとしては、スマートフォン向けアプリの開発者の方から、プレゼン用のBGMとして音源を使用したいといったお問い合わせもありました。今後はこんな依頼もたくさんいただければと思います。

今後のon sunday recordingsの方向性と活動内容や計画を教えて下さい。

今後もレーベル立ち上げ時から引き続き、わかりやすい形で電子音楽を届けたいと思っています。例えば、お風呂に関するアルバムを作って、健康センターにCDを置いてもらったり、銭湯でイベントを開催したり、結婚に関するアルバムを作って、レーベルメンバーまたは、友人の結婚式でライブをしたり、CDにして配ったり、そういうことがしたいです。

今年の音楽業界で注目しているサウンドのテイストやアイテムやスタイル等はありますか?

ネット発のアーティストには常に注目しています。アメリカのHIPHOPシーンでは「DatPiff」という音楽無料配信サイトがメジャーレーベルの登竜門になっていますし、日本でも、ニコニコ動画で大暴れしてメジャーデビューまで果たした「神聖かまってちゃん」が有名です。
ネットレーベル界隈だと、先日新木場のageHaで行われた「SonarSound Tokyo」にも出演した「Go-qualia」というアーティストが「Virgin Babylon Records」というレーベルから商業アルバムをリリースしています。
自分の身近なところだと、onsunでリリース経験のある、「MADEGG」という19歳のアーティストは、有名エレクトロニカレーベル「flau」から商業アルバムをリリースしました。
面白いものや、クオリティの高いものを作り、ネット上で配信し続けることが、様々なチャンスにつながっていることを強く感じます。インターネットは音楽業界において、ブレイクするための入り口になってきているのではないでしょうか。

最近個人的にはまっている事があれば教えて下さい。

漫画をよく読むのですが、そのなかでもやっぱり「日常」を意識したものが好きですね。小田扉の「団地ともお」や黒田硫黄の「茄子」、漫画家の日常を描いている、福光しげゆきの「僕の小規模な生活」なんかがオススメです。
最近だと、農業高校の日常を描いた、荒川 弘の「銀の匙 Silver Spoon」が好きです。…本当に漫画大好きです。

自主レーベルを立ち上げたいと思っている人や音楽を作りたいと思っている人へ一言お願いします。

自分もまだまだですが、やってみたいと思うなら、やってしまうことが近道だと思います。
ネットレーベルの立ち上げに、おそらくリスクないはずです。一緒に悩みましょう。
また、音楽に関わらず、色々な人と組んで面白いことをしたいと思っていますので、onsunに興味がある方からのご連絡をお待ちしております!

自身の音楽の知識と経験を活かして作品作りだけではなく、面白そうなアーティストとの交流をどんどん計るishizukakeiさん。
本人が誰よりも楽しんで活動している姿が何よりも印象的でした。自分の音楽の発表の場を探している方や、オリジナリティー溢れた音源を探している方は是非on sunday recordingsをチェックしてみてはいかがでしょうか?
未来の人気アーティストが発掘出来るかもしれません。

プロフィール

埼玉県在住のトラックメーカー、DJ、ウェブクリエーター。
2005年から音楽制作とDJを“ソニックデスモンキー”として開始する。
2009年に音楽配信サイトで『SDM First Release』をリリース。
2011年に日常に根ざした電子音楽レーベル『on sunday recordings』を立ち上げる。
ブラックミュージックからのサンプリングと、録音した生活音を素材して音楽を作っています。

HP:ishizukakei.com
Twitter:@sdmmm
Soundcloud:Ishizukakei

ishizukakei.com [イシズカケイ ドットコム]
トラックメーカー、DJ、ウェブクリエーターなどやっております。

ライター:*MiMi*
ロンドンで特殊メイクも出来るHair&Make-upアーティストとして雑誌から映画までとマルチに活動中。美容、アート、ファッション、旅行、そして日々感じる文化の違いまで幅広くお届けします。

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