しなやかな私をつくる本 #17『香港美人(マダム)が教えてくれた 美しさが永遠に続く6つの法則』

女性が生き方や考え方をアップデートし、つよくしなやかな自分を目指すのに役立つ本を月に1冊紹介します。


香港女性にキレイな人が多い理由

突然ですが皆さん、香港に行ったことはありますか? 香港の女性は全員が全員、というわけではありませんが、凛とした佇まいがただ者ではなく、いい意味で年齢不詳、といった方が多い気がします。

これまで二度、香港を訪れるなかで、香港美人に魅せられてしまった私。彼女たちの美しさ、素敵オーラはいったいどこからくるものなのか、と考えていたところ、『香港美人(マダム)が教えてくれた 美しさが永遠に続く6つの法則』という本に出会いました。

内面からの輝きこそ、真の美しさ

著者の楊さちこさんは、香港美人の魅力について、こう語っています。

・「よくよく見ると、決して女優やモデルのような“美人”というわけではありません。でも、一人一人が自分に自信を持ち、自分にしかない輝きを内面から放っていたのです」(11頁より)

・「自信に満ちあふれ、自分の長所やチャームポイントを伸ばしつつ、短所も魅力的に変えてしまう」(11頁より)

つまり、絶世の美人でなくても、自分を魅力あふれる女性に見せることはできる、ということ。自分だけの「花」を鮮やかに咲かせるといいのです。本書に綴られたエッセンスをよりすぐってご紹介します。

オリジナルの「美人」を目指す

香港では、美人やキレイという概念への価値観が多種多様だといいます。だからこそ、香港美人は「それぞれのキレイ」を楽しんでいる、と楊さん。

世間一般が「美しい」「キレイ」などと支持する女優やアーティスト、モデルと同じ顔、スタイルになりたい、と願うのではなく、自分の個性を生かした美しさとはなにかを考え、長所はよりよく見せ、短所すらも味わい深く見せてしまう――それこそが香港美人のすごさです。

自分の持つ要素を否定するのではなく肯定する。自己肯定感の高さが浮かび上がってきます。実際、自分を認めてあげることは、その人を素敵に見せる効果的な方法のひとつです。ときどき自己否定し、悩み、考え込むのもありですが、基本的には自分を慈しむこと。

自分に投資している意識を持つ

実際、彼女たちがやっているのは、日本人女性と同じようなネイルケアやフェイシャルケア、そのほか、美容の基本ともいえるていねいな洗顔、栄養バランスを考えた食事、十分な睡眠など。

それらが「自分に時間とお金をかけて、自分を大切に扱っている」という思いとなり、自信につながり、彼女たちをより輝かせて見せているのでしょう。

「中庸」の状態を保つ

「中庸(ちゅうよう)」という言葉をご存じでしょうか? 中国の伝統医学である中医学において、心と体には密接なつながりがあり、双方のバランスがとれた、安定した状態が望ましいとされ、それを「中庸」といいます。

たとえば、人間関係がうまくいかないとき、ストレスがたまって体調を崩したり、肌の状態が悪化したりした……そんな経験はありますよね。逆に、いろいろなことがうまくいっているときは、体調も肌もなかなかいい状態。心と体はリンクしている、と思えてなりません。

香港美人は、中庸の状態であることを大切にしていて、そのために人間関係をていねいに構築しています。人間が感じ得るストレスの大部分は、人との関わりに起因するものが多いからです。だからこそ、コミュニケーションに注力しています。

心を込めたコミュニケーションをする

楊さんは「当たり前のことをどれだけ実践しているか」と前置きしたうえで、香港美人が心を尽くして実践しているコミュニケーション術をこうまとめています。

・ 誰に対しても、ちょとしたことにも「ありがとう」と笑顔で、口に出して伝える
・ お互いは違う人間だと考え、相手の立場や考え方を尊重する

慣れ親しんでいる相手だけでなく、関係の浅い相手に対してもできている? そもそも、本当に笑っている? 相手の思いを汲み取れている? あまりにも日々あたりまえにしているように見えることだからこそ、今改めて振り返ってみてはどうでしょうか。

自分の軸をしっかり持ち、凛として生きたい女性におすすめの一冊です。

▽ 前回の記事はコチラ

2017.01.03

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記事を書いたのはこの人

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Written by 池田 園子(いけだ そのこ)

岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。 写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子