残念なアラサー女子が現実を見て恋愛すると……? 『こんな私はだめですか?』レビュー

2015.10.04

  • Twitterでシェア
  • f Facebookでシェア
  • B!はてなブックマーク

アラサー女子の皆さま、最近恋愛はどうですか? この年の恋愛って、妙に難しいところがありますよね。結婚を意識する年齢のためか、自分のことはさておき、相手の嫌なところを受け入れられなかったり、重い女だと思われるのを阻止しようと、上手に甘えられなかったり……。現実をうまく受け入れて、スマートな恋をするのは難しいこともあるかと思います。
今回ご紹介したい作品は『こんな私はだめですか?』(シモダアサミ/祥伝社)という残念なアラサー女子の恋が7つ、オムニバス形式で描かれている漫画です。少々こじらせた恋愛観を持つアラサー女子が厳しい現実で恋をすると、いったいどんなことになるのでしょうか?


普通な彼はどこにいるの?

アラサー女子の「七つの大罪」が暴かれている本書は、残念な恋をする女子が6人登場します。
たとえばcase. 1の「認めない私」というお話では、毎回付き合う男に「どうしてもガマンできない欠点」を発見してしまい、すぐに別れにいたってしまう真由が主人公です。「パソコンの壁紙が裸の女の子のアニメ絵」だとか「デートのときに必要以上に密着してくる」だとか……。毎回許せない面を発見してしまい、恋愛が長続きしない女子です。そんなある日、真由はついに食事も趣味も家に遊びに行っても、とくに問題のない待望の「普通」の男子と出会うことに成功します! 二人はいよいよラブホに行くことになるのですが、はたしてうまくいくのでしょうか……!?
男子の許容範囲がせまく、相手のダメな面を受け入れられない真由。友人からは「あんただってなにかしら変なことしてるかも」と釘を刺されるのですが、傲慢な態度の彼女は、自分のことを客観視することができないのです。

失敗から幸せな恋に繋げるためには?

ほかにも「同棲して2年の彼氏を押し入れからのぞく趣味がやめられない女子」や「少女漫画の知識は豊富だけれど、リアルの男性と初めて付き合い、現実を見て戸惑う女子」など、さまざまな罪を背負ったアラサー女子が登場します。ときには頭をうち悲観しながらも、彼女たちはその経験を生かし現実とうまく折りあいをつけて最終的にはステキな恋へと結びつけていきます。そのため悲しい気持ちではなく、ほのぼのとした楽しい気持ちで読み終えることができます。
アラサーの筆者は、彼女たちを冷めた目でみることができませんでした。自分のことって、意外と見えていないもの。ぜひ本書を読んで、あなたの恋の参考にしていただければ嬉しいです。

2015.10.04

  • Twitterでシェア
  • f Facebookでシェア
  • B!はてなブックマーク

記事を書いたのはこの人

Avatar photo

Written by さゆ

87年生まれのフリーライター。 本とワンコとカフェが大好きです。 いつでもアワアワしています。 ツイッター:@sayulog  写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子