妄想が止まらない! 絵本の世界に入り込んで、癒されてみませんか?<『りんごかもしれない』(ヨシタケシンスケ/ブロンズ新社)>

2014.08.01

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Googirl読者の皆様は、普段「絵本」は読まれますか? 筆者は幼稚園の頃に読んだのを最後に、全く読まなくなったのですが、大人になり、図書館司書のアルバイトをしたのがきっかけで再び読み始めたところ、かなりハマってしまいました。幼い頃読んだときには決して気づけなかったことがわかるし、短い言葉の中に濃縮されたエッセンスが詰め込まれているので、胸に直球でズキュンと響くものがあります。
今回は、大人女子でも十分に楽しめる、2013年第6回MOE絵本屋さん大賞第1位を受賞した『りんごかもしれない』(ヨシタケシンスケ/ブロンズ新社)という絵本をご紹介します!


これは「りんご」じゃないのかもしれない

本書は、男の子が学校から帰ってくると、テーブルの上に「りんご」が置いてあるのを見つけるところから始まります。
男の子は、りんごを見て「……でも……もしかしたら これは りんごじゃないのかもしれない」と、たった一つの何の変哲もない「りんご」を見るなり、アインシュタイン並みに壮大な空想を始めるのです。
「このりんごは宇宙から落ちてきた小さな星なのかも」と想像したり「りんごから手足が出てきて、ぼくとそっくりになって、ぼくを赤く塗って、僕と入れ替わってしまうかも」という心配したりもします。
男の子は「りんごは実は~かもしれない」という、この「かもしれない」という言葉を、絵本の中で何度も使って、常識の枠にとらわれず、一つ一つの可能性を探ってみるのです。

わたしはきっと、幸せになれるかもしれない

この絵本は「~かもしれない」と想像することで、可能性を無限に広げる遊びができる、大人でも十分に楽しめる、面白い内容でした。当たり前のことって、なかなか疑いませんよね。ましてや、たった一つの「りんご」から宇宙が想像できることなんて、筆者は考えにも及びませんでした。
だからこの本を読んだあと、めいっぱい想像(妄想)してみました。

「わたしはきっと、幸せになれるかもしれない……
いつか素敵な誰かと結婚できるかもしれない……
実は前世はお姫様だったのかもしれない……」

男の子のように宙レベルで想像できない自分が残念ではありますが、「~かもしれない」ごっこは何だかとっても楽しいです。
そう、できるならポジティブに! 「明日はきっと、良い日になるかもしれない」そんな風に想像することで、世の中が果てしなくおもしろく感じられる一冊です。ぜひ皆さんも、こちらの絵本を読んで、楽しい想像をたくさんしてみて下さいね。

2014.08.01

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記事を書いたのはこの人

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Written by さゆ

87年生まれのフリーライター。 本とワンコとカフェが大好きです。 いつでもアワアワしています。 ツイッター:@sayulog  写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子