この夏絶対読んでみて! 映画「喰女-クイメ-」原作~愛と嫉妬が渦巻く、血みどろの恋愛ミステリがすごい!~<『誰にもあげない』(山岸きくみ/幻冬舎文庫)>

2014.08.18

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夏と聞いて思い浮かぶものは、バーベキュー、海水浴、花火大会……などですが、もう一つ外せないものもありますよね! そう、「怖い話」です! 本当にあったかどうかもわからないような謎に対して、背筋が凍るような恐怖とともに、面白さも味わうことができます。
そこで今回は、この夏絶対読んでほしい「怖い女」が登場するお話をご紹介します。


この世で一番怖いのは「女」!? 愛が凶器に変わる瞬間にご注目!

Googirl読者の皆様は、2014年8月23日に全国公開される、市川海老蔵と柴咲コウがタッグを組んだ映画「喰女-クイメ-」をご存知ですか? 世界中のホラーファンから支持される鬼才・三池崇史監督がジャパニーズホラーの原点「四谷怪談」に挑んだ作品で、原作は『誰にもあげない』(山岸きくみ/幻冬舎文庫)という小説です。
「四谷怪談」は様々なバリエーションが存在しますが、基本的なストーリーは「浪人・民谷(たみや)伊右衛門の女房「お岩」が、夫に裏切られ、顔の崩れる薬を飲まされ憤死。亡霊となって復讐を果たす……」というものです。要するに、男に捨てられ殺された女が、幽霊となって復讐するお話です。
『誰にもあげない』という小説も、「四谷怪談」とリンクするところがあり、舞台「真四谷怪談」で主役に抜擢された俳優の「長谷川浩介」が、恋人の有名女優「後藤美雪」を利用し尽くし、用が済んだら浮気を繰り返し、美雪が嫉妬や疑心を募らせる様子が描かれています。
いつしか美雪の怒りが役を超えて、その愛憎が舞台と現実との境界を超えていく様は読んでいて背筋が寒くなりました。
女の一途な愛が怨念に変わる瞬間、男は一体どうなってしまうのでしょうか……!?

真似はできない! だけど気持ちはわかるかも?

このお話、美雪の静かな怒りが、確かにすごく怖いのですが、しかしその怖さのベースになっているものに目を向けると、真似はできないけど、気持ちは痛いほどわかる……という女性は多いのではないかな、と思いました。
恋人が浮気しても、平気なフリや知らないフリをする女性って、多いですよね。でも実際は、心はいつでも不安でたまらなくて、時に怒りで爆発しそうになることってありますよね……。その辺りの心理描写に注目して本書を読んでみても面白いかもしれません。
不満・嫉妬・欲望・疑心……これらは上手く使うと、女性が大きく飛躍する一助にもなりますが、女性の皆様、くれぐれもやりすぎには注意しましょう(笑)。

よかったら是非この夏、映画「喰女-クイメ-」とその原作『誰にもあげない』をチェックしてみて下さいね!

2014.08.18

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Written by さゆ

87年生まれのフリーライター。 本とワンコとカフェが大好きです。 いつでもアワアワしています。 ツイッター:@sayulog  写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子