この夏絶対「恋」がしたくなる!Part2 ~赤面必須! 植物オタクの激甘恋愛小説~ <『植物図鑑』(有川浩/幻冬舎文庫)>

2014.07.31

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「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。咬みません。躾のできたよい子です――」。
今回ご紹介したい本は、こんな恥ずかしいセリフをさらりと言ってのける、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクでイケメンの(!)「樹(イツキ)」という男の子が登場する物語です。
夏と言えば「恋」の季節! 服装も軽くなり、気分も開放的になるこの季節に、素敵なイケメンと恋ができれば最高ですよね。良かったら先に、胸キュン必須の、目も当てられない激甘恋愛小説を読んで、脳内で恋のイメージを膨らませてみませんか?
今回は、乙女の理想を全て具体化したような、とびきり素敵な“道草”恋愛小説をご紹介致します!


『植物図鑑』(有川浩/幻冬舎文庫)

本書は、26歳の一人暮らしのOL「さやか」が偶然、自宅マンション前に行き倒れになっていた男を拾い、一緒に暮らすことになる……という所から始まる、恋愛小説です。
その男性は「樹(イツキ)」と名乗り、なぜかとても植物に詳しく、近所に生えている植物を使って、絶品の料理を作ってくれます。しかも、家事は完璧で、節約家でイケメンで、少し強引で優しい……という、まさに完璧な男性なのです。
二人は週末ごとにご近所で「狩り」と言う名の散歩デートにでかけ、野花を摘んでいました。タンポポで花の「天ぷら」を作ったり、またフキの混ぜごはんを作ったりと、なんだかとても幸せそうな様子が描かれています(ちなみに、巻末にはレシピも付いていて、植物の知識も得られます)。

そんな二人のラブラブな生活に、徐々に暗雲が立ち込めてきて、「樹(イツキ)」の正体も次第に明かされるのですが、少し切ないながらも、最後まで目が離せない展開で、夢中になって読んでしまいました。
少女漫画の世界から抜け出してきたような男性って、リアルの世界にはなかなかいませんよね。
身の回りのお世話をしてくれたり、女性の喜ぶポイントを熟知している男性もなかなかいないように思います。女性だって決して完璧ではないけれど、外の世界は予想以上に厳しくて風当たりが強いから、仕事から帰ったら「うんうん」って何でも優しく聞いてくれるイケメンがいたら嬉しいですよね。

「恋に夢を見るのは、まだまだやめたくない! 心に潤いがほしい!!」と思う方は、本書を是非読んで頂きたいです。乙女心が盛大にくすぐられるかと思います。
恋って良いなあ、この夏絶対恋したいなあ……と感じさせてくれる、最強の激甘恋愛小説です。

2014.07.31

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記事を書いたのはこの人

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Written by さゆ

87年生まれのフリーライター。 本とワンコとカフェが大好きです。 いつでもアワアワしています。 ツイッター:@sayulog  写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子