~コンビニにゆとり世代ならぬ、さとり世代の新人「ニーチェ先生」がやって来た!~ <『ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~』より>

2014.07.23

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「神は死んだ。」これは、ドイツ人哲学者であるフリードリヒ・ニーチェの残した有名な言葉です。「人生とは不条理なものだが神に頼るな、その運命を愛せる超人になれ」と、彼は人々に説きました。
今回ご紹介したい漫画はツイッターに投下され、瞬く間にネット界に拡がり、一躍話題になった“ニーチェ先生”(本名:仁井君)と松駒くんのコンビニバイトライフを描いた一冊『ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~』(著者ハシモト、原作者松駒/KADOKAWA/メディアファクトリー)です。
彼はコンビニアルバイトの、ゆとり世代ならぬ、さとり世代の大型新人!「お客様は神様だろうが!」と怒るお客様に対して、冷静に「神は死んだ」と返答したことがきっかけで「ニーチェ先生」と呼ばれています。
さて、この向かう所敵なしのニーチェ先生、一体どんなコンビニバイトライフを送っているのでしょうか?


「来店するお客様を一人でも多く減らしたい」さとり世代の大型新人!

仕事をしていたら、理不尽な思いってたくさんしますよね。どんなに腹が立つお客様でも頭を下げなければならなかったり、はたまた人間関係でも悩んだり。
ですが大学の仏教学部に通い、宗教と音楽を融合した怪しげなバンドを組むニーチェ先生は、機転の利く頭脳で、我々の想像を超えた行動をします。

例えば、店員がタバコの銘柄を間違えただけで逆上するお客様のことは「乳首依存患者」として扱い(※タバコは哺乳類の本能である「乳を吸う行為」をタバコに置き換えただけの幼児退行の表れらしい)、雑誌を座り読みするお客様には、銃口代わりに防犯ブザーを突き付けます。また、「ニーチェ先生の歓迎会をしよう」と提案した上司に対しては、「所用の腹痛がありまして」と、スマートに断ることができる人物でもあります。
大学生ながら、社会の中で生き抜くすべを身につけているニーチェ先生に、爆笑させられると同時に、尊敬の念も覚えたほどでした。

また、その他のコンビニ店員たちも一癖ある人ばかりで面白いです!
ニーチェ先生に「なぜ生きているのですか?」と聞かれた、ニーチェ先生にいつも突っ込みを入れている就職浪人中の松駒君や、「募金箱」の開け方をなぜか熟知している先輩。イカちょこやキムチキャラメルを大量発注するオーナーなどが登場します。
読めば読むほど、ニーチェ先生の不思議な魅力にはまり、クスクス笑いが止まらないこと間違いなしのこちらの一冊! 理不尽な思いを抱えている社会人の方におススメです。待望の2巻は2014年7月26日に発売されるようです。よかったら是非、チェックしてみて下さいね!

2014.07.23

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記事を書いたのはこの人

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Written by さゆ

87年生まれのフリーライター。 本とワンコとカフェが大好きです。 いつでもアワアワしています。 ツイッター:@sayulog  写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子