18歳から25歳までの誕生日。ささやかだけれど特別な日々。 ~誕生日のできごと(加藤千恵/ポプラ社)より~

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さゆ

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2014.05.26.Mon

18歳から25歳までの誕生日。皆さんは何をして過ごしていたのか、覚えていますか? そのとき「何を食べたか」なども覚えていますか?
25歳を通過してしまったアラサーの筆者は、ここ数年、「あ~もう○○歳になってしまったなあ、結婚できるかなあ、この年齢はもっと大人だと思っていたのに、今も昔も考えることは何も変わらないな……」と思ってしまい、誕生日が来ると「嬉しい」という気持ちより、「焦り」や「不安」の方が大きくなってしまうのでした。

『誕生日のできごと』(加藤千恵/ポプラ社)

しかし、今回ご紹介したい『誕生日のできごと』(加藤千恵/ポプラ社)という本を読み、考え方が少し変わりました。「変わらないもの」なんて、何もないのだと教えられたのです。たとえ本人が気が付いていなくても、何かを無理に変えようとしなくても、周囲の環境も、自分の考え方も、日々少しずつ変わっていく。私たちは、まだ人生の途中にいるし、これからも多くの物を選ぶことができる。いくらでも夢を見られるし、信じられないくらいたくさんの場所に行くことだってできる……!
今の自分と向き合う勇気を与えてくれる、誕生日が少し楽しみになる、そんなお話です。

いくつになっても、変化する

この物語は「恵里」という女の子の、18歳から25歳までの「誕生日のできごと」が描かれています。
変わり者の姉を格好良いと思う、いつも冷静でいたいと心がけている、普通の女の子が主人公です。

恵里は、18歳の誕生日は、家族でお祝いして、「クラムチャウダー」と「ハヤシライス」を食べます。
19歳の誕生日は、友達とお祝いして、「宅配ピザ」を食べます。
20歳の誕生日は、恋人と別れて、一人で「カップ麺」をすする……。

恵里もそうでしたが、18歳から25歳までの期間は、ささやかだけれど大きな変化が、実はたくさん起こるような気がします。
進学や就職、恋人との出会いや別れがあったり、結婚したり。
そんな日々が1年ごとに丁寧に描かれていて、章を追いながら「うんうん、そこは悩むよね」「え? あの彼氏とは別れたのかな」など、思わずうなずきながら、共感しながら読み進めていくことができました。

人生は、思った以上に「予想外」のできごとで成り立っているようです。
ささやかだけれど、誰にもゆずれない自分だけの歴史。
何年後かに思い返したら、今起こっている出来事も、きっと意味があったのだと納得できる日が来るのだと思いました。
「今年の誕生日はきっと、大きな笑顔で迎えられる」そんな勇気をくれる小説です。
良かったら、読んでみて下さいね。

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記事を書いたのはこの人

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さゆ

87年生まれのフリーライター。
本とワンコとカフェが大好きです。
いつでもアワアワしています。
ツイッター:@sayulog  写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子