え、そんな人だったの!? 古典って実は面白い! ~『日本人なら知っておきたい日本文学』蛇蔵&海野凪子(幻冬舎)より~

2014.05.29

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皆さんは「古典」というとどんなイメージを持ちますか?
筆者は受験勉強のせいか、「文法がややこしい・もはや違う言語の勉強をしている気分になる」と、散々なイメージしか持っていませんでした。
しかし、あるきっかけがあり、平安時代に菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)という女性が書いた『更級日記』という日記を読んだところ、古典に対する印象が変わったのです。彼女は文学者・歌人なのですが、今でいう「夢見るオタク少女」でもありました。


『更級日記』って?

紫式部の『源氏物語』が大好きで、ひたすら御簾(みす)にこもって読み続け、美形に囲まれる妄想をして、少女時代をすごします。
大人になって、日記の中で、過去の自分に突っ込みをいれているシーンは、可愛くて思わず笑ってしまいました。
もしかしたら昔の人も、今の人と考え方は、そう変わらなかったのかもしれません。同じようなことで悩み、突っ込みをいれていたのかも!?
今回はそんな、古典の魅力をたっぷり紹介している「古典入門編」となる教養コミック『日本人なら知っておきたい日本文学』(蛇蔵&海野凪子/幻冬舎)を参考に「古典ゴシップ」~紫式部編~をお届けします!

未完成原稿の流出に悩んでいた「紫式部」

「部屋に隠してた原稿がない!! 犯人は藤原道長様だわ……。天下人(てんかびと)のくせに留守の間に家さがしするとか信じらんない」 と、未完成原稿の流出に悩んでいたのは、あの有名な「女好き」が登場する『源氏物語』の作者「紫式部」です。
彼女は「女に知識は不要」と言われたことを気にして、「普段はアホのフリ」をしていたそうな。しかしやっぱり「賢い」と噂になってしまい、中宮彰子に使え、藤原道長ほか殿上人から重んじられる、本当に教養のあるお人なのでした。
『源氏物語』は現代語訳だと、瀬戸内寂聴さんや与謝野晶子さんなど様々な方が書かれていますが、私はコミックの『あさきゆめみし』<1~7巻>(大和和紀/講談社漫画文庫)を読んでイメージをつかんでから、小説に挑戦しました。
また紫式部が彰子に使えていた頃の日記『紫式部日記』にはあの有名な『枕草子』の作者「清少納言」の悪口も書かれていて、こちらもなかなか面白くておススメです。

『日本人なら知っておきたい日本文学』では、ほかにも藤原道長や鴨長明など「名前は聞いたことがあるあの人」の面白いゴシップやエピソードがたくさん紹介されています。
古典って実は楽しい! と教えてくれるおススメのコミックです!
良かったら是非、読んでみて下さいね。

2014.05.29

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記事を書いたのはこの人

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Written by さゆ

87年生まれのフリーライター。 本とワンコとカフェが大好きです。 いつでもアワアワしています。 ツイッター:@sayulog  写真撮影ご協力:青山エリュシオンハウス 撮影者:福谷 真理子