東京オリンピック前に詠みたい！　胸キュン必至の現代短歌がすごすぎる！

東京オリンピック開催が決まり、日本文化を改めて勉強しようかなぁ、なんて思っている人もいるのではないでしょうか？　まずは、現代短歌から入門してみませんか？そこで今回は「短歌って5・7・5・7・7だったっけ？　なんか難しそう……」という方のために、日本語の言葉の魅にうっとりすること確実の、現代短歌をご紹介します。

嫁さんになれよだなんて缶チューハイ二本で言ってしまっていいの　（俵万智）

自宅で缶チューハイを飲んでいるカップル（もしくは友達以上恋人未満？）が浮かんで、胸がきゅうってなりますね。俵万智さんといえば、『サラダ記念日』。誰もが知っているのではないでしょうか？　短歌に新たな風を吹き込んだ方ですね。俵万智さんの短歌には、サラダ記念日以外にも、しっとりとした大人の短歌や、凛とした清々しい歌など魅力的な作品が沢山あります。最近では『オレがマリオ』という本も出版なさっているので要チェックです。
オススメ本：サラダ記念日

愛なんて体に悪いだけだから泣いてる俺はまちがいなのだ　（佐々木あらら）

愛が体に悪い……。男泣きしている姿を想像して、胸をつかんで離しません。佐々木あららさんはエロ短歌を詠まれることでも人気です。これがまた素晴らしく面白い！

【 「ぜんぶ好き」以外出口のない問いに「おっぱいです」で勝負して散れ　】（佐々木あらら）

男心の本音を表すエロ短歌は、あららさんのサイトで拝見できます。気づくとあららさんの魅力に取り憑かれているはずですよ。
オススメサイト：中で出すのが愛なのか

電話口でおっ、て言って前みたいにおっ、て言って言って言ってよ　（東直子）

せつなさがぎゅうっと詰め込められているような、微細な女心を表すのは東直子さんの短歌です。透明感のある優しい言葉選び。失恋や裏切りなど、傷ついたハートをそっと包み込んでくれるはずです。辛い恋をしたお友達にそっとプレゼントするのもいいかもしれませんね。
東直子さんは少女性の強い作品もたくさん詠まれています。

【 はなこさんがみかんを三つ買いましたおつりはぜんぶ砂にうめます 】　（東直子）

純粋さ、恋をする悲しさ、喜び、まっすぐな感情を沸き上がらせてくれる歌たちです。
オススメ本：十階一短歌日記2007

今すぐにキャラメルコーンを買ってきて　そうでなければ妻と別れて　（佐藤真由美）

キャラメルコーンを買ってこなけりゃ、妻と別れろ！　と。……とりあえず、しびれます。佐藤真由美さんの短歌には、女性ならではの美的センスや厄介な感情をひとつひとつ言葉に乗せた短歌がたくさんあります。

【 この煙草あくまであなたが吸ったのね　そのとき口紅つけていたのね　】（佐藤真由美）

この噛んで含めるような言い方、男性だったらたまらないかもしれませんね。
オススメ本：プライベート

「酔ってるの？　あたしが誰かわかってる？」「ブーフーウーのウーじゃないかな」　（穂村弘）

女性に圧倒的な支持を誇る穂村弘さんの短歌です。ゆるーく生きていくなかに入り込む、はっとする瞬間の数々。そして誰もが一度は経由する自意識問題のスパイス。

【 こんなめに君をあわせる人間は　ぼくのほかにはありはしないよ　】（穂村弘）　　

自然な言葉を選がなぜかキラキラして、言葉が心に寄り添うようです。ビー玉やおはじきのようにちょっと懐かしくて、綺麗。穂村さんの作品はそんなキラキラがたくさん散りばめられています。
オススメ本：ラインマーカーズ

ロッテリアのトイレでキスをするなんて　たぶん絶対最初で最後　（加藤千恵）

フレッシュな短歌を、お酒を飲みながら楽しみたいときにオススメなのが加藤千恵さんの短歌です。加藤千恵さんの歌は、アルコール成分が含まれているかのように、歌に身を任せて少しずつ酔っていくことができます。ため息をつきたくなるような恋の歌もたまりません。

【 嘘をつくときが一番やさしかったあなたのことを恨んでいない　】（加藤千恵）

『ハッピーアイスクリーム』は、思春期だった自分の女らしい感情を呼び起こしてきてくれます。中高生の女の子にプレゼントするのもいいかもしれませんね。
オススメ本：ハッピーアイスクリーム

たった31文字のなかに、いろんな気持ちや風景が浮かび上がる短歌の世界。自分のお気に入りの歌を見つけてみたり、自分でも詠んでみたり。この機会に日本語の美しさやに酔ったり、楽しんだりしてみるのも素敵かもしれませんね。